世間的に「原爆の父」と知られるオッペンハイマー博士の伝記に脚色した作品
理論物理の量子力学では優秀であったが、実験物理は苦手だった彼に、多くの科学者と、その家族を、ロス・アラモスの研究都市に住まわせ、多額の国家予算と月日を費やして原子爆弾を作らせたのは何か?
量子力学や星座、キャンプファイヤの火の粉を想起させるイメージと劇伴。さすがの撮影賞
ナチスより先に開発し、先手を取り、戦争を終わらせるため?疲弊してもなお抵抗する日本に降伏させるため?
これは世界大戦を終わらせたのではなく、世界の終わりを始めたのではないか?
終始流れる劇伴が、物語を叙事詩のように奏でる。それが原爆実験と戦後の演説の時、ピタリと止み。ホワイトアウト。そして爆音。さすがの作曲賞の演出
カットバックでしばしば挿まれる2つの裁判ではない聴聞会。博士にソ連のスパイの汚名を着させようとしたものと、その悪だくみの黒幕ストローズを糾弾するもの。印象的なモノクロシーン。さすがの編集賞。ストローズを怪演するロバート・ダウニー・Jrは、さすがの助演男優賞。いや、終盤、貴方の独壇場じゃん
ラストの核戦争を彷彿とさせるイメージはゾワゾワさせられた…理論演算で導かれた核爆発が大気に引火し地球全土を焼き尽くす、ほぼゼロの確率の仮説
作品賞は、これじゃなくね?な気分。3時間にしては体感短いけど冗長。R指定の児童文学感。まとめ上げたのは監督賞
アルベルト・アインシュタインとの湖畔での会話が、知らんけど、響く
だだ、原爆があったからこそ、現在が在るのだ。その善悪は止揚して