秘密結社鷹の爪の垢団

TOHOシネマズをホームグラウンドに映画を年に100本以上観まくります。

余生『生きる LIVING』☆☆ 2024年第183作目


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役所の課長のウィリアムは仕事一辺倒の人生を送ってきたが、末期ガンで余命半年の告知を受ける

職場を離れ、これまではしない遊びなどして、若い劇作家や、職場の部下の転職を決めた女性とデート

長い欠勤の末、彼は、ずっと、ご婦人方が陳情していた、公園の建設に真摯に向き合う

ここから後半?ってとこで、え?亡くなった?葬式?なので、あとは部下たちの回想。

死期が確定したら、何か覚悟するところあるのかな?

黒澤明監督の『生きる』の翻案らしいが、元ネタ観たことないんよね。私の偏見かも知らんが、スゴく英国感あった

青赤黄色『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』☆☆ 第182作目


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オープニングはピタゴラ装置のような映像。そこは前作でドクター・ロボトニックが追放された宇宙の果てのキノコ惑星

捲土重来、ロボトニックは他の宇宙人を呼び寄せて、その移動手段を使って地球に戻ることを画策する。そこでハリモグラの屈強な戦士ナックルズが現れる

ソニックの師匠筋のコウモリ族に隠された宇宙一のパワーを秘めたマスターエメラルドを探しているというナックルズに協力したふりをして、自分が手に入れようとするロボトニック

ソニックのもとには、キツネのテイルズが現れて、ナックルズが迫っていることを知らせる。ソニックとテイルズは師匠の遺した地図を使ってエメラルドを探す

紆余曲折の末に、まんまとエメラルドを手に入れたロボトニックの巨大ロボに、ソニックとテイルズ、ナックルズは手を組み立ち向かう

全体的に、悪乗りと、ご都合主義な予定調和が多いのだけど、力を入れずに楽しめるとも言える

エンドロールの後に、マーベル映画みたく、続編を匂わせるエピローグがあるので???と思ってたら2024年末にホントに3作目あるらしい

 

逝きし人への想い『とべない風船』☆☆ 2024年第181作目


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教師を辞め、契約社員で事務をしていたが、それも契約切れとなり、父の住む瀬戸内海の島に来た凛子。そこに無愛想な男・憲二が魚を持ってくる

憲二が無愛想なのは、過去の豪雨による土砂崩れで妻子を亡くしていたからだった

凛子の父が心臓発作で倒れるが、離島のため救急車が来れず。憲二の漁船で本州の病院へ運ぶ

憲二の家の物干し竿に括り付けられた黄色い風船。それは、帰らぬ妻子の帰りを待つサイン

砂浜で凛子の母の思い出を語る憲二

浜遊びの時に、急な雨。その雨に妻子を亡くした夜がフラッシュバックする

凛子は母の日記を見つけ、母の思いを受け入れる

そして、凛子が島を去る日、黄色い風船が、サヨナラを告げる。憲二は妻子との死別に踏ん切りをつける

友人でも恋人でもなく、島民同士のお節介な付き合いでもなく、深い部分で心を交わす二人。これは、喪の話であったか

田舎のベタな人間関係とか、人の生き死にを使うのはズルいと常々思うのだが、変なロマンスにならない感じが良かった。あからさまに凛子に色目を使う憲二の同僚がガキっぽく見えた

XYZ『シティーハンター』☆☆+ 2024年180作目


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上手いなぁ。今まではフランス版『シティーハンター』、日本のTVドラマ版『エンジェルハート』は認めてたんだけど

アニメ版よりも、上の二つよりも歌舞伎町感が強い。ネトフリの力か?ネット配信故のコンプラ優位か?

エンジェルダストを被せて来ることで、アクション感、SF感出てるな

もっこりダンス…アキラさんか、安村さんやん(苦笑)

うわ、ワン・オブ・サウザンドも被してくるやん。コルトパイソンの説明はなかったけど

鈴木亮平さんの冴羽感もだけど、木村文乃さんの冴子感もいいな。観てるうちに森田望智さんの香感も良かった

そして、伝家の宝刀のハンマーと新録されたTM NETWORK"Get Wild"が流れる。昔のロック調よりポップ調。ウツさん声高くなってない?震える。しかし、中年以下の世代に伝わるのか?ま、知らんで観ても面白いか。拍手

 

女の中の女『バービー』☆☆+ 2024年第179作目


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『2001年』かいな?なオープニング。屹立するバービー。宙空に放られるベビー人形

ある日、永久不滅のピンクの世界バービーランドに異変が起き、ヒロインの定番バービーに体調不良。人間界の持ち主の女の子の心が沈んでいるのが原因だという

人間界に行って元の持ち主のサーシャに話しかける。しかし、バービーは女の子が一番嫌っていて、馬鹿で男に媚びていてフェミニズムを遅らせたファシストと責められる。一方、ケンは図書館で「男社会」という言葉を知る

バービーを作ったマテル社で、偉い人と話そうとしたが、取締役は男ばかり。バービーランドに強制送還されそうになり逃げ出す。片隅の部屋で逃亡の手引をするルース婆ちゃんは元マテル社長、バービーの生みの親

サーシャ母娘とともに逃げてバービーランドに戻ると、マッチョイズムにかぶれたケンの影響で男優位のケンダムに

落ち込む定番バービーや廃版バービーたちの前で大演説するサーシャママ。それに感銘を受けて目覚めるバービーたち。ケンダムへの逆襲が始まる。そこにバービーを追ってきたマテル社役員たちも巻き込まれ

ただのケン"I'm just a Ken"達によるフラッシュモブ

再び現れたルース婆ちゃんがバービーの存在意義を語る。バービーの名前は娘の名前バーバラから取ったという。そして、定番バービーはバービーを卒業する決意をする

マテル社弄りが甚だしいが、マテル社は今や人形屋さんというより知的財産ライセンス事業会社なので、この映画のヒットにより、かなり収益を上げたらしい。制作には子会社マテル・フィルムズが関わっている

エンドロール見ると配役がバービーとケンだらけでウケる。流れるビリー・アイリッシュの"What Was I Made For"は、アカデミー歌曲賞を受賞している

小気味よい愉快さだが、ジェンダーポリティクスな話でもある。たしかに、過去、ステレオタイプな女性像を作り上げたのはバービーであるのだから。たがらこそ、今、この作品なのだろう

十五の夏の最期の回り道『グッバイ、ドン・グリーズ!』☆☆+ 2024年178作目


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東京から少し離れた農村に済むロウマは、他の生徒と馴染めず、地域で優等生だが周りから浮いてるトトとつるんでドングリーズを結成し、森の中に秘密基地を作り遊んでいた

トトは医者を目指して都内の高校に進学していて、高1の夏休み、久し振りに、村でドングリーズとして再会する

そこに、アイスランド育ちで高校には通ってないドロップが合流

みんなが行く花火大会には馴染めない彼らは、自分たちで花火をして、ドローンで空撮することを思いつくが、花火は点かず、ドローンは暴走して遥か彼方に飛んで行ってしまう

その後、遠くで山火事が起き、学校内のSNSで、放火の犯人はドングリーズだという噂が拡散される

ドローンを見つけて、SDカードの映像を見せれば、無実を証明出来るのでは?と山の中に探検に出る

「明日、世界が終わるとしたら、何を後悔するか?宝物を見つけてないことを後悔する」と言うドロップは、アイスランドのグランドキャニオンと呼ばれる峡谷にある黄金の滝にある電話ボックスの話をする。滝が輝く時、電話ボックスが宝の在り処を教えてくれると

どんぐりころころ、どんぶりこ。どんぶりこは水に落ちる音。ドングリーズは、団栗ではなくて、"Don't glee"だった?

紆余曲折の末に辿り着いた道路の先は水没していて、諦めて帰ろうとした時に脇道の先にドローンを見つける。そこには証拠になる写真はなかったが、遥か上空から花火越しに小さく光る街が見えた

再び集結しようと基地に集まろうとすると、最期の夏を全うしたドロップの姿はなかった

秘密基地を畳むロウマとトトは、そこにドロップの遺した宝の地図を見つける。二人はアイスランドに赴き、この夏の絆の由縁を知る

私自身は、親しい友だちとつるんでという体験をしてないので、実体験としての共感はないのだが…『スタンド・バイ・ミー』やん…『打ち上げ花火、上から見るか』やんとか…いう穿った見方もできるし、人の死を絡めるのはズルいよとも思うし、タイトルもろ『さらば青春の光』やんとも思うけど、最初はもっと軽い青春もの?と油断していたらかグッと来るものはあった