『2001年』かいな?なオープニング。屹立するバービー。宙空に放られるベビー人形
ある日、永久不滅のピンクの世界バービーランドに異変が起き、ヒロインの定番バービーに体調不良。人間界の持ち主の女の子の心が沈んでいるのが原因だという
人間界に行って元の持ち主のサーシャに話しかける。しかし、バービーは女の子が一番嫌っていて、馬鹿で男に媚びていてフェミニズムを遅らせたファシストと責められる。一方、ケンは図書館で「男社会」という言葉を知る
バービーを作ったマテル社で、偉い人と話そうとしたが、取締役は男ばかり。バービーランドに強制送還されそうになり逃げ出す。片隅の部屋で逃亡の手引をするルース婆ちゃんは元マテル社長、バービーの生みの親
サーシャ母娘とともに逃げてバービーランドに戻ると、マッチョイズムにかぶれたケンの影響で男優位のケンダムに
落ち込む定番バービーや廃版バービーたちの前で大演説するサーシャママ。それに感銘を受けて目覚めるバービーたち。ケンダムへの逆襲が始まる。そこにバービーを追ってきたマテル社役員たちも巻き込まれ
ただのケン"I'm just a Ken"達によるフラッシュモブ
再び現れたルース婆ちゃんがバービーの存在意義を語る。バービーの名前は娘の名前バーバラから取ったという。そして、定番バービーはバービーを卒業する決意をする
マテル社弄りが甚だしいが、マテル社は今や人形屋さんというより知的財産ライセンス事業会社なので、この映画のヒットにより、かなり収益を上げたらしい。制作には子会社マテル・フィルムズが関わっている
エンドロール見ると配役がバービーとケンだらけでウケる。流れるビリー・アイリッシュの"What Was I Made For"は、アカデミー歌曲賞を受賞している
小気味よい愉快さだが、ジェンダーポリティクスな話でもある。たしかに、過去、ステレオタイプな女性像を作り上げたのはバービーであるのだから。たがらこそ、今、この作品なのだろう