秘密結社鷹の爪の垢団

TOHOシネマズをホームグラウンドに映画を年に100本以上観まくります。

あの子の想いとデジタルタトゥー『鯨の骨』☆☆ 2024年第61作目


f:id:mucci:20240213220621j:image

結婚式場も予約したのに、婚約者に逃げられた青年。後輩に勧められたマッチングアプリで知合った少女とデートする。不思議な雰囲気の彼女は、初デートで部屋まで付いてきて、彼がシャワーを浴びてるうちに

「さようなら。冷めないうちにどうぞ」

と書き置きを残してオーバードーズして動かなくなっている

事態を隠そうと近くの呉服(くれは)公園に運ぶが、忽然と彼女は消える

広場で知り合った、その場に「穴」と呼ばれる動画を埋め込むARアプリMIMIを使うネットアイドル的な女性に導かれ、墓地でスマホを通したAR画像の中にいたのは、あの不思議な彼女、伝説のアカウント明日香

仕事に嫌気が差して、退職を決意した帰り路、彼の眼前に現れる彼女は、現実ではなくMIMIで埋められた「穴」

「良かったら、また私のこと探してね」

現実と仮想の境目が曖昧になる中、明日香の最新の「穴」は、彼の部屋

「運が悪かったね。簡単に人を家に上げちゃいけないよ」

誰もがMIMIを使わなくなった頃、都内にしかないとされた明日香の、最も旧い「穴」を千葉に見つけた彼

あのさぁ、あの日、何があったの?

鯨の骨は海底で光り、深海の生き物の食料となり、食べ尽くされると、みんな散り散りに去るらしい

明日香役を、あのさんが演っていて、主題歌はanoさん。なんか、昔のCharaさんみたい

思いの外、後味の良いファンタジーだった