国替え『引っ越し大名！』☆☆ 2019年第239作目

松平家に減俸の上、国替えの沙汰があり、姫路城の書庫に引き籠もり、カタツムリと渾名されるうだつの上がらない男、片岡春之介(星野源)が引越奉行に大抜擢される。緊縮財政や隠密の謀略の渦中、本の虫・片岡の知識が戦略として発揮される。
コミカルな場面も多く楽しかったが、終盤の大立ち回りは高橋一生くんの独壇場だし、全体に少し間が長かったかなぁ。まぁ時期を待つ話でもあるしな

次の週末公開の気になる映画 2019年9月第1週目

『SHADOW 影武者』
『かぐや様は告らせたい　天才たちの恋愛頭脳戦』
『ロング・ウェイ・ノース　地球のてっぺん』

自転車操業『紙の月』☆☆ 2019年第238作目

銀行の営業担当の契約社員の梨花は、得意先の守銭奴の爺さんの孫と恋仲になる。そんな中、ふと客から預かったお金を「すこし借りる」ようになってしまう。
要は、若いツバメに貢いで身を崩す中年女性の話なんかね。それは魔が差したのか？盲目の愛なのか？人助けを騙った自らの助けを乞う心の声なのか？
しまいには、その恋も失い。職場にも明るみになり…
所詮、偽物だから壊しても平気だ…自由だと思った。
所詮、お金は紙切れだから、あなたはお金では自由になれない。
すべてを失って駆けていく彼女は自由になれたのか？
主演 宮沢りえ

紙の月 Blu-ray スタンダード・エディション

情熱的思考『ハンナ・アーレント』☆+ 2019年第237作目

哲学者で政治思想家の教授ハンナ・アーレントはオピニオン誌ニューヨーカーの特派員として、ナチ高官アイヒマンの裁判を取材。冷酷非道と言われた彼が、法律と命令に従順な凡人であったと論じる。抑留経験のあるユダヤ系の彼女の論文であったが、他のユダヤ系の人々の感情的な拒絶反応を受ける。
ディベートは議論だからと喧嘩腰で口角泡飛ばす人々が、情熱的だったり感情的だったり。冷静で論理的な物言いが、冷酷で傲慢な印象を与えたり。人が正義を失うのは思考停止し人間であることを止めた「凡庸な悪」にあると彼女は説く。考え抜くことこそが人間を強くし、破滅を回避すると。

ハンナ・アーレント [DVD]

愛憎の地平『愛しのアイリーン』☆☆ 2019年第236作目

田舎町で老いた両親と住み、パチンコ店で働く独身中年のイワオ。勢いでフィリピンにお見合いツアーに行くが、女性と付き合ったことのない彼は話すことに疲れ、そこに現れたアイリーンと結婚することにする。
成り行きでヤクザ者を殺してしまったイワオは反動で粗野になり性に乱れ、酔って転落してしまう。姑との関係も上手く行かず。
お金のため性のために国際結婚した二人が辿り着いたのは愛だったのか？
それにしても、オマンコ言い過ぎ

愛しのアイリーン [Blu-ray]

次の週末公開の気になる映画 2019年8月第5週目

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『引っ越し大名！』

運命が啓く『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』☆☆ 2019年第235作目

ジェフは母のシャロンと実家で暮らす、30歳で、いわゆるニート。兄のパットは自己中で、妻のリンダとギクシャク。ジェフは映画『サイン』の影響で、目にするあらゆるものに「啓示」が隠れていると考えている。リンダの浮気を疑う2人が彼女を尾行してるうちに起こる巡り合わせ。シャロンは職場の誰かが自分に気があると舞い上がるが、同僚のキャロルの友情からの気遣いと知り。
5人はそれぞれの巡り合わせで同じ橋の渋滞に巻き込まれ、そこでは親子連れを乗せた車が転落事故。助けようと咄嗟に飛び込むジェフと、弟を救おうと続くパット。
ハンディカメラぽい手ブレ感や不意にかかる寄り絵が、心の揺れを表してるのだろうか？
なんだか胸にジワる物語
原題は"Jeff, Who Lives at Home"

ハッピーニート~おちこぼれ兄弟の小さな奇跡 [DVD]