秘密結社鷹の爪の垢団

TOHOシネマズをホームグラウンドに映画を年に100本以上観まくります。

老いて落ちていくもの『ファーザー』☆☆ 2024年第148作目


f:id:mucci:20240409174907j:image

高齢でロンドンのフラットに住むアンソニーは認知症が出始めている。娘のアンが恋人の住むパリに引っ越すためと、新しい介添人を紹介されるが、誰だこいつはと悪態をつき、独りで生きられると言って聞かない

今度は、ここはアンソニーの家ではなく、アンと結婚した男のものだと言われ、男にいつまで迷惑をかけるのだと責め立てられる

アンの妹のルーシーの話をするが、その痕跡はない

気付くと、介護施設のベッドの上で、初めて会った介護士から、もう入居して数週間。アンはパリにいて週末に面会に来ると聞かされる

現実と記憶と幻覚が混濁する中、自分は誰なのかと頭を抱える

全てが仕掛けられてればホラーやミステリーなんだろうが、これは厳しい老いの現実なんだろう

観ているこちらも現実のタイムラインは何処なのだ?と惑わされるのだが、冒頭とラスト以外はアンソニーの幻覚の中だったのだろう