高齢でロンドンのフラットに住むアンソニーは認知症が出始めている。娘のアンが恋人の住むパリに引っ越すためと、新しい介添人を紹介されるが、誰だこいつはと悪態をつき、独りで生きられると言って聞かない
今度は、ここはアンソニーの家ではなく、アンと結婚した男のものだと言われ、男にいつまで迷惑をかけるのだと責め立てられる
アンの妹のルーシーの話をするが、その痕跡はない
気付くと、介護施設のベッドの上で、初めて会った介護士から、もう入居して数週間。アンはパリにいて週末に面会に来ると聞かされる
現実と記憶と幻覚が混濁する中、自分は誰なのかと頭を抱える
全てが仕掛けられてればホラーやミステリーなんだろうが、これは厳しい老いの現実なんだろう
観ているこちらも現実のタイムラインは何処なのだ?と惑わされるのだが、冒頭とラスト以外はアンソニーの幻覚の中だったのだろう