秘密結社鷹の爪の垢団

TOHOシネマズをホームグラウンドに映画を年に100本以上観まくります。

ふつうに生きる困難さ『正欲』☆☆+ 2024年第28作目


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社会に違和感を抱いたまま横浜で働く佐々木のもとに、広島の両親の事故の訃報が届く。広島のショッピングモールの寝具売り場で働く夏月は職場や実家で、やり切れない日々を過ごしていた。同級生の結婚式で再会した二人は、同類意識で、「ふつう」を偽装するために結婚し横浜に越す

検事の寺井は、不登校の息子の育て方で妻とうまく行かなくなっていた。同僚から照会された、かつて起きた藤原悟という水フェチの事件に理解を示しかねたが、子持ち故にか、小児性愛の事件には憤りのようなものを持っていた

学園祭でダイバーシティフェスを企画する八重子は男性恐怖症で、男の人がいると過呼吸起こすほどであったが、ダンスサークルの諸橋に惹かれる。しかし、彼はまた別の人たちと、ようやく心が繋がりつつあることを伝える。勇気を出して告白したが振られた形になった彼女は「諸橋くんが独りじゃなくて良かった」と言い残し立ち去る

佐々木はSNSを通じて、同じ水好き二人と知り合い、一緒に動画を撮る約束をする、同じ趣味の夏月に紹介するのは二人の素性を確かめてからにすることにした。SATORU FUJIWARAのハンドルネームの男は諸橋だった

もう一人は、小学校教師の矢田部。水フェチの他に小児性愛の癖があり逮捕され、カメラに残った動画から二人も逮捕されてしまう

その件の担当になった寺井は、動画の中に佐々木と夏月が水遊びをしているものが残っていたことから、検察に夏月を呼び出し聴取をするのだが…

残された欲は、分かり合える人と一緒にいたいこと

捕まった先生はアカン奴として、不幸なのは検事の彼なのだろうな。公私ともに、しくじってるわけだしな

あっさり送検されて、警察の捜査はザルかいな?と思ったりするが、「何を分けのわからないこと言ってる」と状況証拠だけで持ってかれたんだろな

フェティシズムは元来は呪物崇拝を意味する言葉で、昔はある種の性的倒錯と捉えられていたが、今のご時世だと、そう表現するのは相応しくないのかもしれない。サブタイにも"(ab)normal desire"とある。つまりタイトルはその逆直訳だ

水は心理学的には無意識や母なるものの象徴と云われる

新垣結衣さんだと『逃げ恥』のダークバージョンか?思ったりして

母が広島出身なので、広島弁に親しみは感じるが、田舎の押し付けな人付き合いの煩わしさも感じたり

他人の趣向に「分からない」は言えても「有り得ない」は言ってはいかんよな

煽りコピーの「観る前の自分には戻れない」ことはなかったかな。むしろ自分が固まった感じ。あのコピー、ふつうの人が書いたんだろな