秘密結社鷹の爪の垢団

TOHOシネマズをホームグラウンドに映画を年に100本以上観まくります。

ふたりはひとつ『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』☆☆ 2014年第169作目


f:id:mucci:20240421204000j:image

年老いても、同じアパルトマンの向かいの部屋で、通い婚状態の女性二人、マドとニナ。互いに部屋を売って、移住したいと思っている

フランス映画って、今でも普通に、女性の喫煙シーン出るよね

娘家族にに打ち明けられないまま、マドが脳卒中で倒れる

要介護になったマドの世話をする娘と介護士とニナ

そして、介護施設を抜け出すニナとマド

通じ合えるのは、誰なんでしょうね?

 

ヤクザの背負うもの『ヤクザと家族 The Family』☆☆+ 2024年第168作目


f:id:mucci:20240421182224j:image

1999年、シャブ中で父親を亡くし、やさぐれていたケン坊が、焼肉屋で襲撃を受けた組長の命を救い見込まれ、親子の契の盃を交わす

時は移って2005年、対抗組織との鍔迫り合いで、クラブの席で隣にいた源氏名ミユキこと由香に惹かれる

「ねぇ、ヤクザって、何して稼いでんの?」

「ねぇ、ヤクザって、何で夜でもサングラスしてんの?」

「ねぇ、ヤクザって、何でオヤジとかアニキとかいうの?」

「ねぇ、何で、ヤクザやってんの?」

「家族だから」

再び、鉄砲玉の凶弾から親分を護るも、仲間を亡くす。行政や警察と癒着した相手に、報復した兄貴分の身代わりに逮捕、服役

そして、2019年、服役を終えたケン坊。組は活動を縮小していて、親分も歳を取り、構成員も減り、条例で縛られしのぎが厳しい昨今

あら?まだ、半分くらいある

由香と再会。「山本さん、まだヤクザやってんの?」「あの子に、父親がヤクザだなんて言えるわけがない」

末期ガンの病床のオヤジとの語り「お前は、組抜けろ。お前は、まだ、やり直せる」

昭和の任侠ものとは違うし、イタリアやアメリカのマフィアやギャングものとも違うけどな。それで手打ちにするしかないんかな

「ねぇ、お父さんって、どんな人だったの?」ラストシーンに掴まれた

 

 

 

ふつつかどころか『わたしの幸せな結婚』☆☆+ 2024年第167作目


f:id:mucci:20240421143153j:image

雰囲気、大正浪漫風の背景。異能を以て異形を討つ家系が支配する帝都。母親に先立たれた美世は、継母や異母妹に苛められていたが、有能だが冷徹な久堂家に嫁ぐことになる

名家の薄刃家の生まれだが異能を持たない美世を苦しめる悪夢は一族の血によるもの

防衛隊本部に溢れる蟲に侵された隊員たち。隊長の久堂は本部を結界で封印して対処する。しかし結界の中では異能は使えない。隊員は自力で斬り合うことになる。全ては先帝と侍医が、久堂を葬り去るための策略

薄刃家に保護された美世は夢見の才を覚醒させる。本部に赴いた彼女の夢見の才の発動により蟲だけを斬れるようになった久堂

若手のアイドルや俳優をフィーチャーした、陰陽師?ハガレン?鬼滅?のもどき?と油断していたら、なかなかどうして厚みのある作品だった

序盤は、血色が悪くて、あかぎれだらけで陰キャな、今田美桜さん演じる美世が、終盤に近付くにつれ綺麗になっていくのも良かったな

本当の悪の親玉には辿り着いてないが、ひとまずは事態収拾してプロポーズ。めでたしめでたし

武士の本懐『憑神』☆☆ 2024年第166作目


f:id:mucci:20240421103322j:image

旧いモノクロフィルムのような字幕イントロから、夜更けの江戸の街。うだつの上がらぬ彦四郎は、酒に酔って転んだところに有ったお稲荷さんに、出世祈願。ポップなオープニングの後、明転。取り憑かれたお稲荷さんは貧乏神の呉服屋。お参りしたのは三囲神社でなく三巡神社。一難去ってどころか三回巡る。厄病神の相撲取り、そして、死神の女の子おつや

彦四郎と親しくなって、気が移り、禍を宿替えする神たち。災難の降り掛かる彦四郎は、足掻きながら、生きる意味を問い直す

家族の問題『87分の1の人生』☆☆+ 2024年第166作目


f:id:mucci:20240420202250j:image

婚約者の姉夫婦を車で送っていて、ショベルカーと衝突事故を起こし、自分だけ生き延びてしまったアリソン。1年後に身体は回復してきたが、トラウマから麻薬性鎮痛剤の薬物依存になっていた

アリソンの義理の父になるはずだったダニエルは、残された高校生の孫娘ライアンに手を焼いて、やめていたはずの酒に手を伸ばしアルコール依存症に

そんな二人が、依存症自助グループで再会する。一度は切れた縁の糸が縒り戻るのだが…

モーガン・フリーマンさん、かなり、ご高齢なのに、かくしゃくとした爺さんっぷり

自助グループも、カウンセリングも、教会の懺悔も、個人的な対話も、本音を打ち明けることによるカタルシスなのだろう

家族の絆のヒューマンドラマのような?トラウマか依存症の話のような?服喪というより回復の話だな

邦題の「87分の1」とは、ダニエルの趣味でもある鉄道模型のHOゲージのスケールであり、ジオラマ模型の中は理想の世界だが、実際の人生は、そうは行かないという意味なのだろう。原題の"A GOOD PERSON"ってのも意味深ではあるが

ネオンに願いを『燈火は消えず』☆☆+ 2024年第165作目


f:id:mucci:20240420142704j:image

ネオン職人だった夫を亡くした妻。フラッシュバックする夫との想い出。ある夜、夫の工房を訪ねると夫の弟子を名乗る若者がいた

法律によりネオン管が規制されたり、職人の減少によりLEDネオンばかりになりつつある香港

妻と若者は、夫が最期に作ろうとしていたネオンについて調べ始める。そして、最後のネオンプロジェクトとして工房の資金のクラファンを始める

想い出もネオンも消えてゆくのか?工房を続けて行くことは現実的には不可能だが、最期の作品づくりに臨む

鹿の字のネオンを巡る、いくつかのエピソードが繋がるところや、過去のカットバックに混ざって、現在の妻や娘の前に夫の幻が出てくるシーンはグッと来た

おばちゃんの我儘が叶っただけやんという向きもあるかもしれんが、綺麗なネオンと共に語られる壮麗なお通夜、或いは壮大な葬式の話なのだろう

2022年に初めて公開された時は『消えゆく燈火』というタイトルだったたらしい


f:id:mucci:20240420142718j:image


f:id:mucci:20240420142729j:image