
東帝大学病院に、遣り手の若い医師が、院長としてやってきて、手術室の稼働率を上げるためと、勤務医に24時間オンコール15時間勤務のシフトを強いて、古参の医師をリストラし始める
そんな中、新院長は、難しい術式を手際よくこなす大門未知子のスキルに目を付ける
彼には、一卵性の兄弟がいて、弟は医療機器会社の車椅子の天才CEOとして知られているが、二人は胎児の時に、先天性疾患の手術を受けており、生まれてから30年、病に苦しんでいる弟の執刀医を探していたのだった
瀕死の床の弟の影武者としてCEOも務めている院長は、胎児の時の手術の失敗が原因と考え、当時の執刀医を逆恨みしていた。その執刀医こそが、大門の老獪なマネージャーであり、外科の師匠でもある神原であり、院長の弟の容態を陰ながら見守っていたのだが、院長と対面している時に脳梗塞で倒れる
容態が急変し脳死状態になった弟。院長も何者かに自動車に爆弾を仕掛けられ、右腕切断と肝臓破裂の重体となる。大門は、弟から兄へ、腕と肝臓の同時移植に挑む
幼い頃にはカエルの解剖でも卒倒し、研修医の時も気弱だった大門が、腕を磨いたキューバ時代、師匠の言葉「ジョヌンカファジョ」は、患者を勇気付け、自らを鼓舞する言葉…スペイン語で「私、失敗しないので」
10年以上の長きに渡るシリーズの締め括りだからか?周りのお客さんの中には、嗚咽と引き笑いがないまぜになってる人もいた
概ね展開は私の想定の範囲内だったが、演出はドラマチックで見応えがあった。ドクターXを通ってきてない私の胸にも響いて来るものがあった
作中で「このまま死なないんじゃないか」と言われた元院長役、西田敏行さんには遺作となってしまった