秘密結社鷹の爪の垢団

TOHOシネマズをホームグラウンドに映画を年に100本以上観まくります。

レトロモダン『クラメルカガリ』『クラユカバ』 ☆☆ 2024年第192/193作目

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『クラメルカガリ』

地下に「虫食い」と呼ばれる空洞があり、その崩落から鉱脈が見つかり、泰平工業の箱庭として発展した町

人工の坑道も掘り巡らされているが、未だ未確認の虫食いもあり、日々地下の繋がりが変わっている

地下道の地図を作るツムギを職業とするカガリとユウヤ。作った地図を貸本屋に売って稼いでいたが、ユウヤは地下でなく日の当たる場所に行くことを望んでいた

地下に縄張りを持つムヂナと呼ばれる集団や、地上で羽振りのいい狛犬温泉の集団の覇権争い、嘗ての戦争兵器、6足思考戦車アブラムシが猛威を振るう。この騒ぎはユウヤの地図が悪者の手に渡ったことが原因だった

町の廃工場の変わり者のクチナワ博士は、戦争の経験を憂い、自動ネズミ捕り戦車ガマガエルを投入し鎮圧に当たる

約束の地図代も手に入らず、カガリに付いてきても貰えず落ち込む彼に、カガリはユウヤの書く地図好きだよと告げる

クチナワ博士の声は先日亡くなった寺田農さんが担当している

 

『クラユカバ』

扇町で父の仕事を継いで探偵業を営む壮太郎。捜索を依頼された飼鳥を見つけたが、依頼主が失踪して、報酬が入らず。仲間の情報屋のサキにも情報代を払えずにいた

この街では何年にも渡り行方不明者が出ており、街の下に巡らされている地下鉄の廃線や支線に潜んで暮らすムヂナについて調査する依頼を受ける。行方不明者の写真の中には、鳥の飼い主もいた

クラガリが苦手な壮太郎はサキに下調べを依頼するが、彼女は戻らず、地下の覆面団から身代金要求の手紙が届く

悪者を薙ぎ払う「鬼の四六三」と呼ばれる装甲列車の列車長タンネとその部下たちの協力を受けつつ地下を進むうちに、忘れていた父との別れの記憶を思い出す

 

両作品とも直接の交差はない(狂言語りのようなキャラは共に出てくる)が、同じ世界線のようだ。文明開化期のようなレトロモダン。チャラン・ポ・ランタンさんや、オーイシマサヨシの主題歌もレトロ調で味がある