秘密結社鷹の爪の垢団

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クー!『不思議惑星キン・ザ・ザ』☆☆ 2024年第82作目


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妻に買い物を頼まれ、街に出た建築技師のウラジーミルは、師のバイオリンを預かっている音大生のゲテバンと出会い、露頭で凍えている自称異星人と話す。彼は空間転送装置を持っていて、故郷の星に帰りたいから、ここの座標を教えて欲しいという

そんな馬鹿な事あるかと、ウラジーミルが装置のボタンを押すと、次の瞬間、二人は一面の砂漠の上、そこはキン・ザ・ザ星雲系のプリュク星。人種階級差別が強く。ほとんど人は「クー」としか話さず。侮蔑語が「キュー」。しばらくすると不思議なことにロシア語が通じ始める。何やら彼らは相手の思考中枢を読めるらしい。テレパシーのようなものだから、彼らには言語が少ないのか?

しかし、転送装置は高価で、地球の座標は不明。何故か知らんが、カツェ(現地語でマッチのこと)がお金より高い価値を持っていて、出会った浮遊物体に乗る現地人二人との珍道中。都心のプラネタリウムに行けば地球の座標も分かるはず

砂の惑星と言っても『デューン』のような高貴さはなく、旧ソ連の社会主義体制を隠喩で風刺してるような、不条理でナンセンスな、シュールな作品でした。全くもって唐突な空中浮遊や時空転移をSFと言っていいのか戸惑うほど

1986年の旧ソ連時代グルジア作品。監督はグルジア(ジョージア)出身。2013年に監督自らがアニメ化した『クー!キン・ザ・ザ』がある