
テクノ(有機AIヒューマノイド)のヤンを家族の一員として受け入れていた一家。ミカの子守役として買ったのだが、ある日、ヤンが動かなくなった。保証期間中ではあるが、メーカーのB&Sから買ったものではなく、新古品の整備品。
有機部品を使っているので、このまま放置しては腐食が始まってしまう。父親のジェイクはヤンを修理できるところを探す
ミカは養女で、学校で同級生にホントの親は?とからかわれ、当時、ヤンはミカに、それを接ぎ木で喩えて話した
修理屋にテクノピテクスの研究者を紹介される。修理屋にスパイウェアと言われたモジュールはメモリバンク。一日に数秒だけ暮らしを自律的に記録する仕掛け。その研究は持ち主のプライバシー侵害に当たると研究が禁止されていた。研究者はヤンの調査と展示に興味を示す
研究者に借りた再生機で、ヤンの記憶の断片を見る。家族への眼差しと、謎の少女の思い出。そしてヤンが恋したクローンのエイダが家に訪ねてくる
ジェイクはヤンのメモリアーカイブから、前の持ち主を探る。彼は前の前、ある女性の子どもの子守として買われ、その女性の姪に恋をしていた。彼女の名はエイダ。今のエイダの大叔母でクローン元
眠れぬ夜のソファで父と娘はヤンを偲ぶ。彼の存在は心の中で切り離せないくらい共にある
結局、どうするねんという結末めいたものは示されずに、ノスタルジックな余韻を残して幕は閉じる
『ブレードランナー』みたく人と人造人間の境目が曖昧になるような話かな。そちらほどハードSFではないけれど。味のある綺麗な作品だった